若いときは、建築をプランしていて、構築性のようなものに重きをおいたものに価値を感じていましたが、この歳になって、「かかわり」に意識が移行してきました。つまり、建築そのものがカッコいいとか、きれいということではなく、「自然と建物」「町と建物」「人と人」「人と建物」「外部と内部」といったような、「関わり」について、どう解かれているか(どういう解答をしているのか)を、これまで以上に意識するようになりました。センスや美意識ということについても、意匠的なことだけでなく、「関わり」についての解き方が洗練されているかどうかということが、実は重要なんだろうということです。
このような視点で建築を見ると、「関わりかた」といったことにこそ建築の意義と価値があるのではないかと思うようになりました。