Relation - かかわるということこの世界のあらゆる事が、何かとかかわっています。
建築も多くの事とかかわりながら存在しています。
家作りや、設計という作業も、様々なかかわりの集積です。当事務所では、この「かかわる」という事を通して
建築のあり方を探求し、建築の中でどのような生活を送っていただくかを考えて、
クリエイトしてゆきたいと思っています。
● かかわりに基づく建築論 ●

 若いときは、建築をプランしていて、構築性のようなものに重きをおいたものに価値を感じていましたが、この歳になって、「かかわり」に意識が移行してきました。つまり、建築そのものがカッコいいとか、きれいということではなく、「自然と建物」「町と建物」「人と人」「人と建物」「外部と内部」といったような、「関わり」について、どう解かれているか(どういう解答をしているのか)を、これまで以上に意識するようになりました。センスや美意識ということについても、意匠的なことだけでなく、「関わり」についての解き方が洗練されているかどうかということが、実は重要なんだろうということです。

このような視点で建築を見ると、「関わりかた」といったことにこそ建築の意義と価値があるのではないかと思うようになりました。

● 建築とかかわる ●

建築は、それ自体が単独で存在する事は不可能です。

建築を介して、必ず自然や人が存在します。
建築を通して多くのものを我々は享受しています。
空、緑、光、風、利便性、快適性、団欒、賑わい、瞑想やすらぎ、落ち着き、爽快感。
建築は、自然や人との関係、時には自分自身とどう向き合うかまでにも影響を与えます。

いいかえれば建築は、「あなたは、どんなものとどのようにかかわりたいのか」
ということを自らに問うてくれるすばらしい親友であると思います。

● 建築家とかかわる ●

建築家は、自分だけの考えで設計をする事は不可能です。

建築家は、これから作る建築の中で、依頼主のあなたが
どのような時間を過ごしたいのかを知りたいと思っています。
「一番大切にしたい事はなんだろう」、「私たちらしさって何だろう」、ということを
家作りを通して一緒に考えてゆく仲間だと思ってください。
思った事を、遠慮せずにぶつけてみてください。
こんなのはだめだろう、とか、これは無理だろう思わずに、
家族全員の心の中にあるものを全部テーブルの上に載せて
たくさんの思いの中から出来る事と出来ない事、やるべき事を一緒に整理してゆきましょう。
建築家とのこのようにかかわっていただければ、求める建築は自然に導きだされてきます。