畑の家 HATAKE NO IE
広島県福山市 2020年
両親が耕す畑に隣接した敷地に建つ、コンパクトな住宅です。住まいと畑の間にの作業の合間に対話が生まれる屋外の居場所を設けて「畑の間」と名付けました。そこには天蓋付きのベンチがあり、畑と家を繋ぐ庭でありながら、「屋外の部屋」でもあります。「畑の間」を中心に、ロフト付きのLDKと、バスルーム付きの寝室が向かい合う配置で、屋内空間を限りなくコンパクトにした最小限の住宅です。ロフトを子供部屋として利用することで、延床面積を小さくすることができ、屋外空間を豊かにすることができました。
中国建築大賞2021住宅部門 大賞 写真 上田 宏
水路を挟んだ前面道路とは木の束で作ったベンチで領域を区切り、隣の畑とはゲートを兼ねた天蓋付きのベンチが両側からの居場所を作ります。
畑の間 と名付けた屋外の居場所は、畑からも室内からもつながる心地よい空間。玄関の前庭も兼ねているので、誰もがここを通って家に入ります。
玄関が北側のパブリックゾーンと南側のプライベートゾーンを繋ぐ渡り廊下になります。床は100角の角材を繋ぎ合わせた板を置いてあるだけで、廊下は左右に移動できます。
北側はワンボリュームのロフト付きLDK。子供部屋は設けず、ロフトが子供部屋を兼ねます。ダイニングの天井高を2100にして、床に座る机で宙に浮いた家具のようなロフトは、居場所の距離を近づけます。
ロフトへ上がる階段は、裏を回って踊り場から突然現れます。柱と手すりのデザインが相まって一つの家具に見えるようです。
南側のプライベートゾーンはコンパクトで使いやすい空間。
前庭越しに寝室の窓からは北側のLDKを超えて、道路の向かいの庭木まで見通すことができます。
室内の光が溢れてくる畑の間。夜の玄関庭としても暖かな光で包みます。