家具外構造園/後藤亜貴建築設計事務所、写真/上田 宏
小中高一貫校の老朽化した共用通路のうち3箇所を、それぞれの利用目的をもつ場所に再生させるプロジェクト。
■ハローゲート
敷地の斜面を吹きおろす風対策として洞門を設けました。ゆるいカーブを描き連続に配置された杉角材のゲートの隙間からは、差し込む光が朝夕の登下校を見守ります。
■コミュニティースペース
校舎と食堂の隣棟間の通路には、中央に植込みがありました。主な木を残してそれを取り囲む居場所として再生。杉の注入材を積層して天蓋付きのベンチを設け、小学生から高校生まで学年を超えて交流しあうスペースとしました。
■アメニティースペース
屋内では校舎の接続部にあった生徒会室を広場として解放し、公開授業やスカイプ授業にも使用できるネット環境を備えたアメニティースペースとしました。放課後の宿題や保護者会のミーティング、講演会としても活用されています。室内空間に人工芝を敷くことで、他の場所とは違う足裏の感覚が気持ちを軽やかにします。柔軟な利用法を促進するため、壁際の人工芝でできた小上がりの周囲には分割されたキャスタースツールを配置し、人数の増減に対応します。キャスタースツールは色移りしない撥水処理をした倉敷デニムを使用して、地域の素材に触れる機会を設けています。